NEWプロパガンダ映画論 数奇な運命
『ベンジャミン・バトンを観る。』
20〇×年〇月×日
ベンジャミン・バトンを観る。
ディヴィッドフィンチャーとブラピのコラボは
「ファイトクラブ」の作風がミステリアスに印象的だけどこの作品では
さらに洗練されたムードを出していた。
ハリウッド俳優の中でわたしの2大イケメンスターは誰か?というと、
この頃なら間違いなく
ブラッド・ピットとジョニー・デップだった。
“映画とアートをみる日々“
わたしは30代をほぼ、ほぼ、在宅ワークで過ごす。
ひとりでいるのが苦にならないので
モチベーションがさがらないようにすることと、あとはスケジュールを飽きないように
工夫することだった。
この時期に失ったものは?というと間違いなく「人間関係」。
わたしのプライベートに友人はほとんどいない。(いまもそうだけど。)
在宅ワークにしてからホントに孤独といえば孤独になった。それでもあんまり気にならない。
「類は友をよぶ」という意味では
これは驚きなんだけど、
住んでいたアパートの隣の住人はわたしよりもキャリアの長い在宅ワーカーのデザイナーで、わたしはアパレルでの仕事が長いのでその隣人とアパレルの話をよくした。
彼女はわたしのことをいろんな生活の面をみて
「いい趣味してる」とほめてくれた。
とくにわたしのクローゼットの中。(洋服をみせて!と言われたので)
そして食生活。
あとは約8畳間のフローリングの
おそろいの部屋のわたしの部屋のインテリア。
彼女のエキセントリックな
部屋のインテリアもステキ。
海外で買ったというゴブラン織りのクラゲの柄のカーテンはすごくモダンで気に入ってわたしもほめた。
猫を2匹飼っていて、すごく太っているせいか
掃除をほとんどしないので、誰か一緒に住んで身のまわりの世話が必要な人だとは感じた。(自分でもゴッホみたいにテオのような存在が必要だという。)
たしか、彼女のほうが8つぐらい年上で、わたしにコペンハーゲンの色彩エキシビションの話しをよくしてくれた。
なぜコペンハーゲン?
って笑うわたしに「コペンハーゲンなんだよ!トレンドがはじまるのは!」ふたりで大笑いした。
わたしは毎週水曜日をTSUTAYAでDVDを借りるのと外出をする日にしていた。
見たい展覧会や舞台やコンサートか、
なければ紀伊国屋書店に行ってみなとみらいでお茶などをして1日を過ごした。
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近所のスーパーか、スーパーの前にあった小さなレストランか、隣の住人との会話がすべて。
それでもそれなりに幸せ。
南向きのベランダと西側の出窓のある部屋で
あれは夏の終わりの夕方
いまもすごく鮮明におぼえているけど
わたしの部屋の出窓の外でアパートの住人のカップルがバトミントンをしていた。
わたしは藤野真紀子さんの料理本を見ながらしいたけときゅうりのごま和えをおいしく作った。
たくさんの映画の中から。
ハリウッド映画の大作からミニシアター系までだいたい毎週10本から半額サービスデーには20本ぐらい借りて観ていた。
ブラピ主演の映画はほとんどみているけど
「ベンジャミン・バトン」はたしかケイト・ブランシェットとの共演で年々年を重ねていく女性の腕の中で最後には赤ちゃんにまで若返ってしまうブラピ扮する役は若返りのサイクルが早くなると年を取るよりも早くこの世から消えてしまう。
これは私的な感想だけど
なるべく、鈍感になって
ふだん気丈さを保ちながら懸命に生きていても
ふとした瞬間にすごくこわくなる。
まるで数奇な運命をたどる映画のように。
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